Biography

1973年東京生まれ。桐朋学園大学卒業、同大学院大学修了。ケルン音楽大学卒業、同音楽大学大学院現代音楽室内楽ピアノ科修了。
幾つかのコンクールに入賞し、2001年にはイタリア・キジアーナ音楽院にてマウリツィオ・ポリーニ氏のオーディションを受け、ポリーニ氏に称賛され合格。同氏に師事。
ソリストとして梅田俊明氏指揮による桐朋学園アカデミー・オーケストラ、イオネッシュ・ギャラティ氏指揮によるルーマニア・オルテニア・フィルハーモニー・オーケストラと協演。
アンサンブル奏者としては、ヴァイオリニスト・江藤アンジェラ、小林将、小林美恵、田野倉雅秋の各氏をはじめ、2004年には文化庁新進芸術家公演事業として高橋和歌氏と、2010年には春日部音楽祭において佐藤久成氏と共演。「第7回国際オーボエコンクール・東京」、「第24回日本管打楽器コンクール・テューバ部門」では、優勝者の共演を務めるなど、演奏とサポートは高く評価されている。
また日本フィルハーモニー交響楽団にはエキストラとして100回を超えるステージに出演。2004年「伊福部昭・卆寿記念コンサートサントリーホール」では、《フィリピンに贈る祝典序曲》を演奏。
これまでにピアノを小川典子、岩崎淑、駒沢とみ子、権藤譲子、ピーシェン・チェン、野島稔、橋本正子、林秀光、藤井一興、星野安彦、三上桂子、ギュンター・ルートヴィッヒの各氏に師事。現代音楽・室内楽をペーター・エトヴェーシュ、デビット・スマイヤースの各氏に師事。室内楽を岩崎洸、藤原浜雄の各氏に師事。指揮法を高関健氏に師事。
2006年9月には雲南芸術学院音楽大学より客員教授として招かれマスタークラスを行い、昆明テレビ・ラジオ局主催による中国デビュー・コンサートは大成功を収めた。
2005年からはベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲演奏に挑み、201011年には日本室内楽振興財団等の助成を受け世界初といわれるベートーヴェン ピアノ協奏曲室内楽版の全曲演奏をクァルテット・エクセルシオとともに行った。それらの取り組みは、「音楽現代」、「音楽の友」、「ショパン」で高く評価され、「The Daily Yomiuri」、「東都よみうり」、「ぶらあぼ」、「MSN産経ニュース」、「読売新聞」等でも紹介記事が掲載される。2011年には田中がピアノ・パートを校訂したベートーヴェン ピアノ協奏曲第235番の室内楽版楽譜がヤマハミュージックメディアから出版された。
NHK-FM「現代の音楽」や「名曲リサイタル」でも演奏は放送され、高評を得ている。

 


-世界初!ベートーヴェン ピアノ協奏曲室内楽版全曲演奏に挑戦-

かつてベートーヴェンの時代、ピアノ協奏曲は弦楽五重奏との室内楽版で広く楽しまれていました。この魅力的なスタイル、不思議なことに時代とともに埋もれ、多くの楽譜は消失してしまいました。
ベートーヴェン作曲ピアノ協奏曲第4番室内楽版は、1988年にドイツの音楽学者ハンス=ヴェルナー・キューテンによって発見されました。ベートーヴェンによってピアノ・パートが編曲されたこの室内楽版は、原曲にも増しウイットで、歴史的にも貴重な作品と評価が高まっています。これを知った私は、彼の全ての協奏曲を室内楽版で演奏してみたいと考えました。

2010年1月18日にオペラシティ・リサイタルホールで開催した「ベートーヴェン ピアノ協奏曲室内楽版Ⅰ」を皮切りに、同年7月14日同会場では「ベートーヴェン ピアノ協奏曲室内楽版Ⅱ」を、2011年春には「ベートーヴェン ピアノ協奏曲室内楽版Ⅲ」を開催し、全5曲のピアノ協奏曲を演奏、完遂する予定です。
残りの4曲の協奏曲のうち第1番は、ウィーンの音楽家ヴィンツェンツ・ラハナーが名編曲版を残しており、第2、3、5番は、現在日本を代表する作曲家の小林寛明、飯沼信義(桐朋学園大学名誉教授)、南聡(北海道教育大学准教授)の各氏に、今回改めて編曲を委嘱しました。

室内楽版の特徴は、何といっても少人数で演奏可能な上、各パートが明瞭に聴き取れること。華やかなピアノ協奏曲の魅力をお伝えできると同時に、通常のオーケストラ版にはない味わいもお楽しみいただけます。

室内楽版の素晴らしさをより多くの方に知っていただきたいという願いとともに、私は少人数で演奏可能な利点を活かし、ピアノ協奏曲を聴いたことのない子ども達に音楽の面白さを伝えていきたいと思っています。
ご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひCONTACTSからお問合せください!

 

 


-田中良茂 ピアノ・リサイタルでの新たな挑戦-

クラシック音楽を楽しみとしてくださる方の減少。これは日本だけでなく伝統的な音楽の地、ドイツ等でも昨今問題となっています。これを変えていきたいと思い、トーク・コンサートをはじめ、これまで幾つかの試みを行ってきました。
トーク・ コンサートでは、これまでクラシック音楽と接点のなかったお客様に、分かりやすい解説と、ポピュラーで質の高い名曲を演奏することで、幸いにも好評をいただいて参りました。しかし一方、幾分難解で本格的なリサイタルを行なった場合、「少し難しかった」「解説がほしかった」「曲目解説書の意味が解からない」 等、後に感想をいただくこともあり、どのようにすればより多くの方にご理解いただけるものか、頭を悩ませてきたものです。また音楽を愛好してくださっている方の中には、トーク・コンサートに対する抵抗もあり、事実、トークが「ある種の音楽的イメージ」をお客様に植え付けてしまい、音楽の本質を遠ざけてしまう危険性があるのです。そのような経緯を踏まえ、私は2006年12月7日のピアノ・リサイタルより2種類の曲目解説書を ご用意するようにいたしました。
1つはこれまで通りの曲目解説書、もう1つの解説書では専門的な言い回しを可能な限り排し、それらを用いる時も噛み砕いた説明を施す、言うなれば「入門編」です。これら2種類の解説書をリサイタルではご用意し、お客様にどちらかをお選びいただくようにしています。このような試みは、私の知る限り前例がなく、まだ実験的ですが、今後少しでも音楽をお楽しみいただける方が増えてくださればという願いを込め、新たな試みに挑戦しています。